2016-03-09から1日間の記事一覧

ジッド『背徳者』(1)―序文と「議長D.R.氏へ」を中心に

1902年刊行、ジッドのこの小説は、彼がはじめて「レシ」と呼んだ作品であり、それまでの現在形で語られた作品と異なり、単純過去を多用しながら語り手が回顧する形式をとる(ジッドの作品は総じて読みやすいが現在ではそれほど使われない単純過去が頻出する…